重力を利用した身体の使い方を失わない、あるいは取り戻すにはどうしたら良いのでしょう? もっとも大事なのは、ズバリ!「柔軟性」 次に来るのは、「動作」
動作には2種類あります。「静的動作」と「動的動作」です。
・「静的動作」・立ち姿勢、座り姿勢、構え等。見た目の動きが伴わない。
・「動的動作」・歩く、走る、跳ぶ、投げる等、見た目の動きが伴う。
柔軟性は柔らかいに越したことはないのですが、みんながみんな体操選手やバレリーナのように柔らかくなる必要はありません。
例えば、立姿勢のポジションをとるのに必要な分の柔軟性、または日常の動作、歩く、しゃがんで物を拾う等の動きに必要な分の柔軟性、自身が取り組んでいる競技、スポーツに必要な分の柔軟性があれば良いということです。
ここで話は変わりますが、体力(行動体力)とはなんでしょう?あるいは身体ができている(いい身体をしている)とはどういう状態でしょう? 一般に体力(行動体力)とは 筋力、瞬発力、持久力、柔軟性、巧緻性、平衡性といった要素が並列的に考えられています。 特に筋力、瞬発力、持久力は
行動体力の相関図 このように表されます。すると、この3要素が重要視されがちになりますが、そもそも、これらの要素、並列的ではないと考えています。
体力要素の優先順位
これが体力を考える上での優先順位となります。
関節が良好に可動する柔軟性があり、人間が本来持っている重力を利用した姿勢、動作があり、結果的に、筋力、瞬発力、持久力、平衡性、巧緻性が後付けで発達していくと考えています。
すなわち、身体ができているとは筋骨隆々で身体が大きい、ということではなく二次性徴の発現以降で、筋肉の柔軟性があり関節の可動が良好に保たれ、幼児期の重力を利用した立位姿勢、身体の使い方「動作」が失われていない状態を「身体ができている」と表現するのです。
なぜ、このような考え方が一般に浸透していないか?それは、その姿勢、動作がどういうものか曖昧だからです!
一流アスリートや武術の達人の秘密である幼児期の重力を利用した姿勢、動作を明らかにすることが「利重力身体操作法」の目的となります。
では、ここからが本題。 上腕二頭筋(力こぶの筋肉)は肘を曲げるための筋肉?・・・・・NO! ハムストリングス(腿裏の筋肉)は膝を曲げるための筋肉?・・・NO! 体幹部は腹筋、背筋の筋力で固めると
フィジカルが強くなる?・・・・・・・・NO! 常識を覆す人間の身体の本当の能力について解剖学的視点から見ていきましょう!
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