#34 腹圧のメカニズム

 

☆腹圧のメカニズム

 

 整理しましょう。腹圧を適正にかけるには・・・・・・
 なぜ、横隔膜は下制しなければならないのか?
 なぜ、腹筋群の収縮力ではなく「張力」なのか?
 なぜ、骨盤は前が空いた形なのか?
 これらの点と点を線に結ぶのが「正しい姿勢」になります。

 まず、横隔膜が下制する腹式呼吸を自然に行うには正しい姿勢が必要でした。


 このように横隔膜が下制(下がる)と黄色い〇の内臓を上から押しつけます。
上から押しつけられた内臓は骨盤の空いている方向に落ちます。

 


 例えば、骨盤の形が安定性の高いと思われる皿状であったなら

つぶれる内臓

 



 内臓が四方八方に広がるため全方位から押さえつけなければなりません。息を吸うたびにお腹が前、横、後ろに風船みたいに膨らんでしまいます。

 

その為、力が逃げて腹圧が掛かりにくくなります。では、骨で壁を作ればどうでしょう?


 が、しかし、この構造には大きな欠点があります。まず、前面も骨で囲まれているため腹筋群の面積が極端に狭くなり、体幹部の可動が極端に制限されてしまいます。 

 

これでは、運動のパフォーマンスが低下してしまいます。 

 


 更に、バケツ状だと、逃げ場がなくなり、圧が掛かりすぎてしまいます。 

 

力が逃げないという事態は、かなり深刻です。急に強い圧が掛かった場合、力が逃げないため内臓を損傷してしまう可能性が高まってしまうのです。

 

 以上の理由で、安定して内臓を支えることが出来そうな「皿状」「バケツ状」の骨盤の形状は却下となります。
 では、何が正解なのか?・・・前の空いた骨盤の形状をサポートするものは・・・

 

 

ここで登場するのが腹筋群の「張力」です。

 


                                         
 正しい姿勢で腹式呼吸が行えると横隔膜が下制します。

 

下がった横隔膜は腹腔内の内臓を上から押しつけます。押し付けられた内臓は、骨盤の構造により一点に集約されながら前に落ちようとします。
 落ちそうになった内臓を支えるのが腹筋たちの役割になります。しかも収縮力ではなく張力の働きによって支えるのです。

 

 

 張力を考えるには、ストレッチさせる動き、ポジションを考えれば良いので、腹筋群をストレッチさせるには、まず、起始のある肋骨、胸骨と停止のある骨盤が離れるようにポジショニングされれば良いということになります。


 このポジションこそ「正しい姿勢」です。


 腕の重さによって肩甲骨が背骨に寄り、肋骨が挙上され胸腰椎移行部が伸展、骨盤が前傾する姿勢、つまり重力を利用した姿勢ということになるのです。


 もう一つ、腹筋群がストレッチされる動作があります。それはお腹が膨らむことです。
 正しい姿勢がとれ、肋骨と骨盤が離れ、お腹が膨らむと腹筋群に張力が生じます。

 


 横隔膜の下制によって内臓が落ちるのを腹筋群の収縮力で支えるのではなく、力を抜いて、落ちてくる内臓の重さを受ける止めることで腹筋群に張力が生じるのです。

 


 横隔膜の下制と内臓の重さにより腹筋群が伸ばされ、張力が引き出されます。
 骨盤のこの形であれば、圧が分散することなく集約された一点を支えれば済むため効率的であると同時に、急激に強い圧が掛かったとしても、腹筋群がクッションの役割を果たし、力を逃がしてくれます。

 


 腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)の走行が縦横斜めであり、4つの筋肉が胸腰筋膜で連結しているのは、衝撃や圧を分散させ逃がす働きがあるのです。

 このように横隔膜、腹筋群、骨盤の構造と連携により適正に腹圧が掛かるのです。


 むやみに横隔膜や腹筋の筋力によって無理矢理に圧をかけるのではありません。


 正しい姿勢がとれれば、力を入れずとも呼吸によって結果的に自然に楽に腹圧が掛かるものであり、正しい姿勢をとるには腹筋群の筋力ではなく柔軟性が必要なのです。

 

 すると、下っ腹(おへその下)に先ほど説明がありました「集約された一点」を感じることができます。


 この「集約された一点」がいわゆる「丹田」と呼ばれる部位なのです。

 

 始めに戻りましょう。


 腹圧が大事! と言いますがなぜでしょうか?


 体幹部が安定する? 姿勢が改善される? 腰痛改善? ウエストが引き締まる?


 
 いろいろと挙げられますが、腹圧の仕事で最も重要なものがあります。
 それは「血流」です。


 心臓の力だけでは全身の血液を循環させることはできません。


 血管の弾力性による適正な血圧も末端まで血液を行き渡らせるのに一役買っています。また、「第二の心臓」と呼ばれる筋肉も重要な役割を果たします。


 末端部まで送られた血液が心臓に戻るには筋肉の働きが必要になります。 


筋肉が伸びたり縮んだりすることで血管を圧迫、弛緩させ、ポンプのように血管内の血液を運びます。この働きを「ミルキングアクション(乳しぼり作用)」といいます。
 特に下肢の血液が戻ってくるには重力に逆らって登ってこなければなりません。そのためエコノミー症候群の予防にふくらはぎの筋肉が注目される訳です。

 

 

 さて、ここで問題があります。腕や脚の血液はミルキングアクションの働きで戻ってくることができますが、下肢から登ってきた血液は、一本の血管に集められます。大静脈です。腹腔から横隔膜を貫いて胸腔に入り心臓に連結します。


 大静脈の周りには筋肉がありません。つまり、ミルキングアクションの作用が期待できません。


 では、大静脈の血液は、どうやって心臓まで登って行くのでしょう?


 鍵を握るのが「腹圧」と「呼吸」になります。

 

 次回、大静脈の血液が心臓に帰るには・・・・

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