#25 体幹部とは?上半身と下半身の境はどこ?

3・重力を利用した体幹部の基本的な使い方・・・・・・

 「体幹部が大事」
 誰に聞いても返ってくる答えです。
 フィジカルを強くしたい。瞬発力を高めたい。アジリティを高めたい。バランス感覚を養いたい。身体の軸をしっかりさせたい。etc.
 解決法としては体幹が大事、体幹を強くすることが効果的。となります。
 確かに説得力があります。
 もちろん、実際に体幹部は大事です。
 では、体幹とは?
 体幹が強いとはどういう状態でしょうか?
 体幹を強くするにはどうしたらいいのでしょうか?

 一般的には、
「体幹とは、胴体部のことであり、
 体幹部が強いとは、負荷や衝撃に抵抗する力が強く、胴体部の安定性、固定性に優れた状態。よって、体幹を強くするには体幹部の筋群、腹筋背筋、胸筋などのアウターマッスル及び、腸腰筋、肋間筋、骨盤底筋群などのインナーマッスルの筋力を高めることで胴体部の安定性、固定性を高めること。」と考えられています。

 本当にそうでしょうか?

 強くする前に、まず体幹部とはどう動くのか考えてみましょう。
 通常の筋トレでも、例えば腕の関節がどのように動くと筋肉が効率よく鍛えられるかをしっかり確認してトレーニングをします。
 体幹部がどう動くのかを確認していきましょう。
 
その前に質問です。

「上半身と下半身の境目はどこでしょうか?」
何処から上が上半身で、何処から下が下半身でしょうか?

 骨盤から下が下半身?
 多くの人は、そう考えるでしょう。
 しかし、姿勢編をお読みの方は、お分かりになるでしょう。
 体幹部の中心部「胸腰椎移行部」が、その境目になります。
 姿勢編では「骨格」の構造から見て、動きの要となる部位であると説明しました。
 この項では、「筋肉」の付き方から見てみましょう。


              
 体幹部の筋肉の代表として挙げられるのが
僧帽筋、広背筋、腸腰筋、横隔膜、腰方形筋です。
 横隔膜も「膜」とありますが、立派な筋肉です。焼肉で言う「ハラミ」です。
これら筋肉の背骨の付着部に注目してみましょう。

僧帽筋

 


 実は、こういった大きい筋肉、単体ではなく、いくつかの部位に分かれています。
 例えば、この僧帽筋、上から、
「上部(下行部)」「中部(横行部)」「下部(上行部)」 
に分かれています。

 ここでは、「下部」の付着部を見てみましょう。
僧帽筋下部の背骨の付着部は、T2 or 3~T12の棘突起、棘上靭帯
になります。

広背筋 

 


 この筋肉も、非常に大きい筋肉で、やはりいくつかの部位に分かれています。上から、「椎骨部」「肋骨部」「腸骨部」です。 
 広背筋は、「椎骨部」を見てみましょう。
 広背筋椎骨部の背骨の付着部は、T7~T12の棘突起になります。

腸腰筋

 


 ハイパフォーマンスのカギを握るとされる非常に有名な筋肉です。
 上から「大腰筋」「腸骨筋」に分かれていて、たまに「小腰筋」がある人もいます。
 腸腰筋は、上部の大腰筋を見てみましょう。
 大腰筋の背骨の付着部は、T12~L5の椎体、全腰椎の肋骨突起になります。

横隔膜


 呼吸に使われる筋肉です。胸部と腹部を隔てるように 付いています。食道、大動脈、大静脈が通る穴が3つだけ空いています。
 呼吸、腹圧の調整、腹腔内及び全身の血流促進に重要な役割を果たします。
 横隔膜もいくつもの部位に分けられますが、煩雑になるので省略します。
 横隔膜の背骨の付着部は、L1~L3,4の椎体になります。 

腰方形筋


 文字通り腰の筋肉です。                 
 骨盤と肋骨を結ぶ筋肉で、体幹部の動きに重要な働きをします。
 この筋肉は、「前層」と「後層」に分かれますが一つのものとして扱います。
 腰方形筋の背骨の付着部は、L1~L3の肋骨突起と第12肋骨(T12)になります。

まとめましょう。
・僧帽筋下部の背骨の付着部は、T2 or 3~T12の棘突起、棘上靭帯
・広背筋椎骨部の背骨の付着部は、T7~T12の棘突起
・大腰筋の背骨の付着部は、T12~L5の椎体、Lの肋骨突起
・横隔膜の背骨の付着部は、L1~L3,4の椎体 
 ・腰方形筋の背骨の付着部は、L1~L3の肋骨突起と第12肋骨(T12)
となります。

 いかがでしょう?
 見事にT12、L1から筋肉の走行が上下に分かれているのがお解りいただけるかと思います。つまり、筋肉の付き方から見ても胸腰椎移行部が上半身と下半身の境であると言えるのです。
 イメージで言うと「ヤジロベエ」です。

 

 


 このように、腰椎にT12から上の上半身が乗っているような構造です。そう考えると体幹部の動きが想像しやすいでしょう。
 体幹部の動きとは、胸腰椎移行部を中心に背中を反る、丸める、捻る、横に倒す。及びこれらの動きを複合的に組み合わせた動きということになります。
 ポイントは、可動する部位が胸腰椎移行部の一点だけと考えることです。もちろん、他の胸椎、腰椎、仙腸関節らが動かないという訳ではありません。正確な動作を行う際は意識する部位は少ないに越したことはないということです。
 その他の可動は、胸腰椎移行部の可動に伴うもので、いわゆるオマケみたいなものです。つまり、オマケの部分は意識しなくても構わないということです。

 体幹部の動きを理解するには「ヤジロベエ」のイメージだけでは、まだ足りません。なぜなら、上半身がグラグラ揺れるだけでは身体の「軸」が作れないからです。
 身体を安定させバランスをとったり、重いものを持ち上げたり、ジャンプをしたり大きな負荷に対抗するには身体の軸が重要になります。
 身体に掛かる負荷、あるいは力を発揮する方向に対して身体の軸を同一直線上に合わせることが、パフォーマンスを左右する最も重要な要因となります。

 身体の軸を作るためには体幹部の軸形成が課題となります。
 よって、一般的には筋力で体幹部を真っ直ぐ固定させることが最も有効な方法として実践されています。
 しかし、体幹部を筋力で固定させることで、逆に身体の軸が不安定になり、出力の低下につながってしまっていることが、実際の競技の現場で起こっています。

 それは、なぜでしょう?

次回、体幹部を固めるとパフォーマンスが下がる?

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